大阪・豊中勤労者山岳会のブログです


by toyonaka-rouzan

カテゴリ:大阪府連( 1 )

日程 : 平成23年10月7日晩~10日
行き先 : 錫杖岳、穂高屏風岩
参加者 : 中級登山学校の生徒、コーチ、アシスタントコーチ、スタッフ  総勢40何名か


1.10月7日晩~10月8日 アプローチ、注文の多い料理店

  森宮駐輪場に集合し、中級でチャーターした加茂観光のバスに乗り込み出発します。
  早朝に槍見温泉の駐車場にバスが到着し、ザックを背負って錫杖沢BCを目指して歩きます。

  中級の実技では、コーチ・生徒・アシスタントコーチの3名でパーティを組み、3日間、パーティごとにクライミングをし寝食を共にします。
  今回のワタクシのパートナーは、生徒・堀口さんとアシスタント・小前さん。”大阪労山の核弾頭”2頭を引きつれて登ります。まぁ、にぎやかなこと。。。
  駐車場から1時間ほど歩くと、樹林の中から突如として錫杖岳が現れます。真っ黒な高層ビルの様な異様な風貌は迫力満点で、登攀意欲が一気に掻き立てられます。
   
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  テントを張り、登攀に向かいます。本日の登攀ルートは、「注文の多い料理店」。いま流行のナチプロで登るクラックのルートです。僕も初見で、憧れていたルートなので、ドキドキワクワクです(^o^)
  用意したキャメロットは0.3~5を1セット、4をもう1つです。しかし、今回ために5番を買ったものの、この先使うことがあるのかどうか。。

  錫杖沢から30分ほど樹林帯を登ると取り付きに到着。傾斜が強く、太いクラックが延びる迫力のあるルートです。
  
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  1P目~Ⅳ 草付きフェース 
   堀口さんのビレイで離陸。大テラスを目指し、草付きのフェースを右上していきます。少ないですが、残置ハーケンと小さなカムで支点を取りながら登ります。階段状で登りやすいですが、テラスの下5mほどの1箇所が少し嫌らしいか(Ⅳ級テイスト)。
     
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   大テラスにたどり着き、ペツルの立派なビレイ点でピッチを切り、後続を確保します。テポドン1号、2号の順に発射。少し難儀するも、まぁ順調に登ってきました。
     
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  2P目~Ⅴ+ クラック→ランペ 
ビレイ点から左へ5mほどトラバースしてからクラック沿いに左上します。クラックにキャメロットやナッツをどんどん入れながら登りますが、クラック登りではなく、通常のフェースorカンテ登りです。 
   左上していくと上に突き当たり、そこからガバフレークをつかんで右上すると枯木テラスに到着。ペツルが打たれています。
   後続の1号、2号も「むっず~!」とか言いながらも、ちゃんと登ってきます。しかし、2号が、僕が最後にセットしたナッツの回収にもたつきます。ハンマーを使って下から叩くよう指示しますが「え、ハンマー置いてきたで~」(勝手に装備をはしょってはいけません)、無理に押したり引いたりしている内に奥に入り込み回収不能になってしまいます。来年、生徒からやり直しです(-_-) 

  3P目~5.9 ハング→クラック 
   いよいよ核心のハング越えです。ハングにキャメロット3番を入れ、レイバック(アンダー持ち)の体勢で右に移動していき4番を決めます。思っていたより手が持ちにくく、しっかり足を上げて手を効かせてやります(スタンスは豊富)。
   庇の乗っ越しは、右足を腰~胸の高さまで上げてレイバックの姿勢で大胆に乗っ越すのがポイントでしょうか。ここを躊躇しているとパワーを吸い取られてしまいます。
   トポでは5.9となっていますが、10aが妥当ではないかと感じました。
   
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   乗っ越すと、きれいなワイドクラックが頭上を延びています。乗っ越したところでキャメロットの5番を入れ、クラックの左のフェース上にスタンスを求めて登ります。ここもクラック登りの技術は不要で、フェース登りです。途中、0.3と2も決めたように思いますが、記憶が定かでありません。
   枯木テラスで確保し、1号が登り始めますが、庇の乗っ越しで何度も落っこちます。
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   事故発生 
    上の左方カンテから、「ラーク!、ラーク!、ラーク!」と多くの人の切羽詰まった怒鳴り声。次の瞬間、ドカーンと雷が落ちたような大轟音がして、大量の石が降ってきました。幸いにして、僕も1号・2号も庇状の岩の下にいたので事なきを得ましたが、ものすごい迫力に震え上がりました。
    無線連絡で、落石が朝日さんに当たり負傷されたとのことで、まもなくヘリが来てピックアップしていきました。ヘリの到着、ピックアップともに早く、この山域のヘリレスキューは熟練していることを感じます。
     
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    本部より、登攀を続けて事故パーティと合流するよう指示があり、1号・2号にも登ってきてもらいます。2人ともA0で超えてきます。2人にとって登れないグレードではないはずなのですが、普段のフェース登りにはないムーブなので慣れていないのでしょう。練習して、次はフリーで登りましょう。   

  4P目~Ⅴ+ クラック
   このピッチも幅広のクラックを登ります。出だしは、ここも足を高く上げてレイバックっぽく超え、その後、クラックとその左のフェースにスタンスを求め登ります。プロテクションは、キャメロット5番を入れ、それを上へずらしながら登り、その後キャメロットを2~3個セットしたかと思います(番号は忘れました)。
   登っていくと突き当たり、右にトラバースするとペツルが打たれた立派なテラスに到着です。   続いて、2号、1号の順に打ち上げです。2号は、落ちることなくスムーズに、ほぼA0で上昇してきます。1号は、出だして「キャッ」という悲鳴と共に2~3度フォールし、その後、フリーで登ってきます。  
   
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  5P目~Ⅴ+ クラック→フェース   
   左方カンテから懸垂下降してきた人に聞くと、朝日さんは、意識ははっきりしており重症ではないだろうとのことで少し安心。
   事故パーティに手助けを要することはないとのことで、懸垂下降で降りることにします。
   ところが、左方カンテからの懸垂待ちが7人。その間に、もう1ピッチ登ることにします。
   
   このピッチもクラックが頭上を伸びています。右側に幅広のクラック、左側にフィンガーサイズのクラックが平行に走っています。右足は幅広のクラックにジャミング、左足はクラックの間のフェースにスタンスを求め、ずりずりと上がっていきます。
   クラックが終わるとフェース。1箇所がホールド、スタンス共に細かく、支点も頼りない枝で取っているだけなので緊張しますが、思い切って乗り込むとカチを取れてホッ。
   4P目で終了するパーティも多いと聞きますが、このピッチも面白くオススメです。
   その後、ルートを間違えたようで、モタモタ・ヒヤヒヤしている内に時間切れ。懸垂で、1号・2号が待つテラスへと戻ります。「すみません、僕だけ登ってしまって・・・。」とお詫びすると、2号から「あ~よかった。もうウチら登る気なかったで~」と言われる。
   懸垂2ピッチで、取り付きに戻り、テン場へ戻りました。
   
   修了山行では、生徒さんが食担で、コーチ・アシスタントコーチのために料理を作ることになっています。1号は意外にも料理上手。カロリーメイトでも出てくるのかと思いきや、美味しい美味しいお鍋(豆乳鍋?)でした。重い食材を担ぎ上げ、美味しい料理を作ってくれたことに感謝します。1号の恋バナなぞ聞きながら、お酒と料理が進みます。
   
   コーチ会議があり、明日の登攀を中止して下山することを決定しました。
   事故の状況は、左方カンテ最終ピッチを登攀していたよそのパーティが80cm大のフレークを剥がしてしまい、それがバラバラに砕けながら落下して朝日さんに当たったとのこと。
   「注文の多い料理店」は左方カンテの真下に位置するので、こちらに降り注いだ訳です。

2.10月9日 平湯の森キャンプ場
  朝からテントを撤収、槍見温泉駐車場へ下山し、バスで平湯の森キャンプ場へ向かいます。
  キャンプ場にテントを張り、「平湯の森」で入浴。
  その後、生徒さんが用意してくれた料理を美味しくいただき、深夜まで宴会しました。楽しかった~
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  スタッフより、朝日さんの怪我の状態の説明。肋骨を骨折したものの、明日の朝に退院予定とのことで、一同、安心しました。

3.10月10日 下山
  昼前に屏風岩組と合流し、バスに乗り大阪へと出発します。
  バスの中ではカラオケ大会。スーパーで仕入れた食材・お酒をいただきながら、盛り上がりました。
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  これにて今年の中級登山学校は終了。しかし、今年は事故の多い年で、色々と考えさせられた。底抜けに楽しいアルパインクライミングの凶暴な一面を見せつけられた思いだ。事故をゼロにすることはできないのだろうが、基本を徹底することでリスクを最小限にしたいものだ。
   
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by toyonaka-rouzan | 2011-10-07 22:02 | 大阪府連